クレジットカードの心をつかむための施策
友達と手をつないでいると思いきや、道の傍らに走りよって「きれいなお花!」とか愛らしくつぶやいた次の瞬間、犬のウンチを友達のほうに蹴っ飛ばしたりしている。
元気よく駆け出していったので、そのまま走り続けているかと思えば、急に方向転換をして水溜まりにダイビングしたりする。
不規則極まりない。
M博士の憂うつは、株の個別銘柄が持つ幼稚園児的不規則性に由来しているのだ。
1400人の幼稚園児は1400とおりの動きをしている。
1人ずつの行動パターンはまだ分析しやすいほうだ。
過去に公園に連れていった時にブランコ遊びをした園児は、今回もブランコ遊びをする可能性が高い。
過去の行動パターンを将来に投影できるのだ。
2人で手をつなぎ始める者も出る。
そうすると1人ずつの時とは違った行動パターンになる。
2人になることで1人の時とは違う行動をするのだが、これも相手によってさまざまである。
相手によっては駆けっこをするし、相手によってはオママゴトをしたりする。
その2人が別の1人と手をつないで3人組になると、また別のパターンの動きを始める。誰かと組み合わせになった時に、それまでとは異なる行動をとることが多いはずである。
このようなそれぞれの組み合わせにより生じたグループの動きの類似性を数値化したものが共分散である。
M博士が、1950年代にやろうとしたのは、愉えて言えば、これら1400の園児すなわち株式の動きを、そのすべての組み合わせでコンピュータ分析しようとしたのである。
2人ずつの組み合わせから始まり、2人のグループと1人との組み合わせ、3人のグループと1人の組み合わせ、あるいは2人のグループと3人のグループ……115人の組み合わせと398人の組み合わせ……あ−狂いそうである。
これらのすべての組み合わせを考え、それぞれの行動パターンの特性値である共分散という値を算出するのだ。
この組み合わせは無数にある。
今でこそ、コンピュータの解析レベルが向上したので可能なのだが、当時は不可能だったのだ。
博士の理論は机上では正しいのだが、実証が困難だったのである。
そこに現れたのがS博士である。
UCLAの学生だったS博士はM博士に弟子入りして投資理論の世界に首を突っ込んだのである。
S学生はM博士に次のような歴史的大提言を成したのである。
「M先生。
先生はあれこれ細かすぎるわ。
個別株式の株価の動きについてすべての組み合わせを考えたら日が暮れまっせ。
日が暮れた後は夜が明けまっせ。
いつまでもそんなことしてたら時あきまへんわ。
もっと大胆にいきましょ。
銘柄すべての共分散を計算するのはやめましよ・ベンチマークという基準値と個々の銘柄の共分散という考え方で代用したらええやないですか。
ほな、サイナラ」と、最後のサイナラに意味はないが、大変重要なアイデアを定義したのである。
個別銘柄すべての間の共分散をチビチビと求めるのは大変なのだが、例えば日経平均等のベンチマークと各個別銘柄との間の共分散を求めるのであれば、当時のコンピュータでも計算できたのである。
こうしてSは「インデックス・タイ方式」すなわち「インデックス基準共分散算出計算簡単我大喜歓喜方式」を適用することで、Mのアイデアを現場で使えるようにしたのである。
個々の幼稚園児で考えれば大変なのだけれど、先生(インデックス)という基準を設定して、先生と園児とのペアを考えればその組み合わせはグンと減るのだ。
Sはこの方式を改良してβ(ベータ)値と呼ばれる数値を作り出した。
β値は市場に対する感応度として、知ってる人にはあまりにも有名である。
感応度とは、リスクのない資産(短期金利など)を基準として、市場対比で何倍の超過収益を得ることができるのかを表す指標である。世間の常識ではビデオテープのβ方式のほうが有名だが、金融工学界ではS(電器メーカーではない)のβのほうが有名なのだ。
投資理論でいうβ値は+lを基準に性質を理解すればいい。
理屈はともかく、β値が+lの銘柄は市場すなわちインデックスと同じように動く。
β値が−1の銘柄はインデックスとは正反対の動きをする。
β値が0.5だったらインデックスの上昇の半分だけ上昇するし、-0.5だったら上昇分の半分にあたる分だけ下落するのである。
βが+lよりも大きければ、インデックスの上昇以上に上昇するし、下降する場合はもっと下降する。
βが−1よりも小さければ、インデックスの反対方向にインデックスよりも大きな動きをする。
βが0の時には反応しない。
例えば日経225インデックスが1万円から1万2000円に上昇したとしよう(単純化のため無リスク資産金利をゼロとする)。
1万円に対して2000円の上昇だから20%の上昇である。
その際、β値が+1の銘柄は同じく20%上昇し、−1の銘柄は20%下落するのである。
β値が0.5だったら10%上昇し、-0.5だったら10%下落するのだ。
A社の株価が1000円だとしよう。
この株式のβ値が1であれば株価は1200円になる。
β値が−1であれば株価は800円である。
β値はインデックスと個別銘柄との共分散をインデックスの分散で割れば出てくるのだが、個人で計算するのは大変である。
東証の主要な株式のβ値は証券会社などの機関がインターネット上で計算して公開しているので、その数値を利用すればよい。
β値はS博士の集大成であるCAPM(CapitalAssetPricingModel)につながっていく。
S博士はそもそも物理学を学ぶ学生だったのだが性に合わず、経営学に転向したそうである。
ところが、これにも嫌気がさして経済学に転じている。
経済学からファイナンスの道に入ったわけだが、天性の要領のよさとでもいおうか、才能に恵まれているというべきなのか、消去法で選択したファイナンス分野でノーベル賞を取ってしまうのだから大したものだ。
マクロ経済で相場の動きが読めるかβ値が実用的になってくると、これを商売にしようとする人が現れる。
Rというビジネスマンは自分でβ値を計算して、ウォール街に売り込み大当たりした。
S博士の理論が実用化されたのである。
まさにβ値の全盛期到来といえよう。
面白くないのは他の研究者たちだ。
「β値は全能じゃないぞ!」という声が上がっていたであろう。
CAPMには弱点があった。
β値を使ってインデックスに対する個別銘柄の動きは説明できるのだが、インデックスそのものの動きは何ら説明していない。
「日経225などのインデックスがあれだけ動いたらこの銘柄はこれだけ動きます」ということはS博士の理屈でわかるのだが、そもそも「日経225などのインデックスがどれだけ動くのか」が最も興味深いのに、その説明はできないのだ。
「インデックスすなわち市場の動きを説明しない理論なんて意味ない!」と殴り込みをかけたのが、ペンシルバニア大学のR教授である。
インデックスの動きに対する反応を数値化したのがβ値であるなら、R教授はインデックスの動きそのものを予測するモデルを作ろうとしたのである。
都内有数のクレジットカードに対策をしましょう。クレジットカードの情報をお知らせします。
クレジットカードです。クレジットカードの総合検索サイトです。
クレジットカードを導入しました。本当に使えるのはクレジットカードです。
